99.9%は仮説2006年03月12日 17時57分02秒

光文社新書 定価(本体700円+税)



 副題:思い込みで判断しないための考え方
 (著者の思いは、文章中のあちらこちらに太字で印刷されている。)


 1923年にノーベル物理学賞をもらったロバート・アンドリュース・ミリカンの電気素量(素電荷)の発見のエピソード---都合の悪いデータは横に置いておいて、都合のいいデータだけを採用した---については、やはり受け入れられない、科学は客観的であるべきと思う。
 たとえ、優れた直感に裏づけられそれに基づいた作業仮説により実験を行いデータを取りまとめ、また別人によってもその理論が最終的に検証され、世紀の大発見につながったとしても。
 結果オーライが科学にも当てはまるのだろうか?

 絶対的と思われる「科学」さえも現実はバイアスがかかっているならば、今正しいと考えられている仮説は将来間違っていると訂正される仮説になるかも知れないと、常に知的かつ柔軟に対応する(疑ってかかる)ことが大切であろう。。。

 紹介されている昨年のアメリカの若者(13歳~17歳)へのアンケート調査結果---ダーウィンの進化論を科学理論と信じているのはたった37%---には、愕然とする。
 しかし、宗教心の希薄な、かつ疑ってかかることをあまりしない日本の若者ではどんなアンケート結果が出てくるであろうか?
 過半数を相当上回る結果が出るのではないか?

 それも心配な話である。。。