今日は『水環境の汚染と生き物たち』の講義でした ― 2006年08月31日 00時28分11秒
河川や海水、またそれらに棲む生き物中の有機リン化合物(農薬、難燃性可塑剤など)の濃度の経時的推移を詳しく調べたデータ類の解説が主でした。
発展途上国ではHCH(BHC)やDDTなどの農薬が、先進国ではPCBなどが未だに高濃度に汚染蓄積している。
特に、スジイルカの雌では体内蓄積したPCB等は授乳することにより乳汁を介して子供に移行しており、特に第一子は高濃度に暴露されている可能性がある。その代わり母親は移行した分が体内から減少しているらしく、第二子以降の子供には多くは移行しない。人間でもほぼ同様な現象が起きているらしく、将来の我々の子孫に如何に影響が及ぶのか非常に不安に感じる。第一子の子孫は果たして???
他に、環境ホルモン(内分泌攪乱物質)の説明もあった。一時センセーショナルに騒がれたが、今ではどうもそれ程心配することでもなかったとも言われている。
但し、自然界の諸変化(雄のメス化、雌のオス化)は現実起こっていることであり、それらの原因・理由を正しく見極めるにはもう少しきちんと検証していく必要があろう。カップラーメンの発泡スチロール容器の環境ホルモン作用も今では一応否定はされたが、果たして真実はどうなのだろうか?
数十年経ってから訳の分からない病気や異変が起こって、人類が臍を噛まないためにも、地道で着実な研究の継続を望みたい。
(なお、写真のベニヒモノキは今日の講義とは全く無関係です。悪しからず。)
最近のコメント